TOPへ

元祖川柳

 

 

錦木塚回文二首

錦木と とさしてたにの 塚の間の

    かつ野にたてし 里とききしに

 

錦木と つたえもおきし 長の夜の

    かなしきおもえ たつとききしに

 

哀悼吟

李牛子は予が判する所の句情厚年々秀吟多し、就中当春分柳水組連会に手揃少なからず、おしいかな当七月七日初秋の風とともに彼の国へ身まからせいうと聞きに、驚き残りし秀吟を机上にひろげ殊に、連会結びの頃病床に臥しながら句を加入せられしに、妙なるかなその句書抜となりし事誠に此道の發才成る事おしみ感歎して、

    世におしむ雲がくれにし七日月 

 

李牛子の一めくりに

    今ごろは弘誓の舟の涼かな

追善冬の終

    上げつれておしや切れ行く鳳巾

岩戸神楽

    戸隠しも神楽の内は髭をぬき

落魄

    芸は身を助ける程のふしあわせ

手向

    かねて其覚悟ながらも花に風

国恩

    高枕是も日光細工なり

追慕

    孝行をしたい時分に親はなし

訓戒

見ぐるしや六日に残る江の菖蒲

 

俳諧觽十五員

うしの年斗取次顕はして

永坂や柳の水の陰清し

蓬莱や御納戸町の風薫る

四谷に羽子をのした鳳凰

三河丁そのゆかりあり杜若

風雪森ンと夜の丸山

広幸路迄もいろはの茶の薫り

二本榎に古き水仙

旭まだらに南国の霜

名木の薫りをしたう春木町

高根白々桜田の冬

新堀馴てわかなつむ友

八重垣に雷門の和らぎて

春日町にも曲水の宴

ふ断さくらに木山下の栄へ

 

前句にかかわらず古事時代事趣向よろしければ高番の手柄有すべて恋句世話事ばいしよく下女杯の句にあたらしき趣向むすべば手柄多し、年々の勝句を味わいて考えし。

 

 

 

 

 

inserted by FC2 system